11月11日(水)
さあ、今日は待ちに待った宮杯初日である。何ヶ月も用意して来た、その成果をあらわすとき。
会場設営。そりゃ男の仕事ですから、僕たちは遠慮なく駆り出されるというわけです。
ちなみに、僕たちは大学生。大学でしなければならないこともあるのでして、僕の場合は、レポートの嵐。
ビッグイベントの前にすでにばて気味の僕でした。
夜10:30からは、僕たちJNSA一年生のメインイベント、中学生会議がありました。初日です。
中学生会議ってのはね、何も本当に会議するんじゃないんです。
ただ、せっかく全国大会の名のもとに、全国から中学生が集まってくるんだから
なるべくたくさんの友達を作ろう!って企画なのです。
だから、その内容も、ゲームとか故郷自慢とかそんなものです。
僕が恐れながら司会を務めさせていただきましたが、実は不安でした。俺にできるんかいな?司会なんて。ってな風に。
しかしながら、あれは苦し紛れ、ともとれるような臨機応変な行動により、
めでたく、初日はみんなの笑顔、満足そうな様子で幕を下ろしたのであります。
就寝時間は午前3時でした。
11月12日(木)
起床、午前6時。
さて、今日は高松宮杯の本来の目的、弁論大会の日程1日目であります。
大会は4部構成+決勝大会となっています。
今日は1部の関東地区と2部の中部地区の決勝予選が行われた。
昨日はあんなにはしゃいで、寝ろ!といってもまったく言うことを聞いてくれなかったあの子達が、
今日壇上に上がっていく姿はなんともたくましく、思わず感動せずにはいられませんでした。
未来はこんな子達がいる限り、決して暗いばっかりじゃない。そう思いました。
それにしても皆レベル高いね。絶対俺より上手いって。
夜、8:30。木曜中学生会議が始まりました。昨日は集まる中学生も少ないだろう、ということから
中学生全体、JNSA1年全体で行いましたが、
今日はなんと全国から100人以上集まります。
30人ぐらいの班ごとにわかれて行いました。
うちらの班名は「ちまたーず」。ださカッコよさを追求してみた。
ちかの「ち」とまきこの「ま」とたくみの「た」で「ちまたーず」。結構気に入ってたりして。
用意したタイムテーブルはまったく役立たず。その場の雰囲気で進行していきました。
でも結果的にその方が良かったのかもしれない。
初日はまず、ほかの中学生のことを互いに知ってもらうため、自己紹介をふんだんに取り入れたゲームを中心に、
とにかく楽しんでもらう、という内容でした。
大成功。
就寝時間はやはり午前3時。
11月13日(金)
起床、やはり午前6時。いやね、僕たち4年越しの夢をかなえる為ならね、早起きだって簡単なのよ。
今日は大会日程2日目。3部の南部日本地区と4部の北部日本地区の決勝予選。
あ、大会中の僕の仕事言ってなかった。
僕は「進行セクション」という大会の進行を直接統括するセクションの構成員だったのです。
ま、大変なのはチーフだけで私いち構成員はあんまり大変じゃないんだけどね。
でも、このセクションでは自分の失敗が、大会運営に大きく影響してしまうこともありだから、一応気は抜けなかったです。
案の定僕は、ミスを犯したらしい。
審査室に行かなければいけないときがあるんですが、
その時に、うるさい、声が大きい、と怒られました。恥ずかしかった。
今日も、中学生たちの頼もしい姿を見ては、一人涙する僕でした。
今日で進行セクションの仕事は終わり。チーフ、ありがとうございました。
夜、8:30。そして金曜中学生会議が始まりました。
今日は昨日とは打って変わって少々まじめな様子。
伝言ジェスチャーゲームをやった後、
ディスカッションなるものをしてみたりして。議題は「男女間に友情は成立するか」。
想像していた通り、盛り上がりました。みんな年ごろだから。
今日で班ごとの中学生会議は終了。ちょっと切ない。
就寝時間、午前4時。
11月14日(土)
起床午前8時。
今日はとうとうこの高松宮杯を締めくくる決勝大会。有楽町?のそごう7階読売ホールにて。
今日の仕事はドアマンである。なんかSPでもやっているかのように今日は仕事そのものを楽しんだ。
他のみんなも、なんか今日は仕事自体をいつも以上に楽しんでいる様子で、非常に気持ち良い。
夕方より、帝国ホテルにて記念レセプション。表彰式も兼ねて。
4年前に一度、参加者としてここへ来た。今は運営側である。
JNSAに入ることは一番近い夢であった。その象徴ともいうべきこのレセプション。
高円宮様を迎えるため整列したとき正直、涙腺大開放だった。
この鳳凰の間、あの時の思い出が次々と思い出される。
そしてこの4年間、待ちに待ったこの瞬間。
「敬礼!」
レセプションはあの時と同じように、また新たな思い出として僕の心に刻まれた。
夜、9時から。今日は最後の夜である。そして最後の中学生会議があった。
今日は、班ごとに出し物を発表した。
この3日間、中学生みなで練習してきた出し物、僕たちJNSAはまったく関与しなかった。
なのに皆はなんとも感動的なものを作り上げてくれ、中学生皆の生き生きとした様子は、やはり僕たちの心を揺さ振るのであった。
キャンドルサービス。最初、僕が自作の詩を読み始めたころから、あちこちで鳴咽が聞こえ始めた。
たかが3泊4日、と人は思うかもしれない。
でも、この間で築かれたこの友情、絆の強さは大会に出たものにしかわからない。
彼らの涙は、それを強く物語っていた。
同じ目標を持ち集まった彼ら。それに向かい、5分間に全神経を集中して競い合った仲間同士。
3泊4日は、そんな彼らの友情を築くには十分であったが、
あまりにも短すぎた。
われわれJNSA委員も、
あるものは自分が出た時を思い出し、
あるものはこの数年間にわたる夢を達成したという満足感、
あるものはこの大会を振り返り、
それぞれがそれぞれの思いをもって泣き出さずにはいられなかった。
そう、僕たちはすごいのである。僕たちはきっと今世界で一番の幸せもの達なのだろう。
やはり僕はJNSAを心から愛している。
今日は寝ないぞ!JNSAという立場を忘れて、その日は中学生たちと夜を徹して語り合ったのでした。
11月15日(日)
今日はとうとうきてしまった、別れの日。皆、おのおのの地へ帰って行くわけだが、そんな彼らを見送る僕には、
「いつか帰っておいで。」という気持ちがあった。僕は帰ってきたのだから。
多くの中学生たちが、
「私、JNSAに絶対なります。」と言っていた。
果たして何人がその夢をかなえてここに帰ってくるのだろう。待っています、君たちを。
すべてが終わった後。JNSAの中学生会議についての反省会があった。
僕はここでは絶対に泣くまい、と思って挑んだのだが、
この4年間の思い、つまり
JNSAに入るために大学を決めた事、
そのために多くのものを捨ててきたこと、
JNSAに入れなかった人たちのこと、
成功して本当に良かったということ、
中学生たちの巣立っていく頼もしい様子、
ありがとう、本当にありがとう、と言ってくれたある中学生の涙、
そしてこれまで僕の夢をかなえるために協力してくれた人たち、
のことを考えていたら、
やはりみっともないことになってしまっていた。
絶対忘れない。たとえどんなに他の人に理解されなくても。